2023年度第24回研究大会開催のお知らせ【終了しました】

資料

資料はこちらからダウンロードをお願い申し上げます。なお、当日紙媒体での配布は行いませんのでご容赦ください。なお、資料ファイルのパスワードは、事務局から発出されたメール(2023年5月30日)の添付ファイル(研究大会プログラム)に掲載されております。

プログラム

日本国際連合学会第 24 回(2023年度)研究大会プログラム
共通テーマ:「主権国家体制と国連」

ウェストファリア条約の成立によりその形成が始まったとされる主権国家体制は、「黄昏」「終焉」を指摘されながらも、依然としてその強靭さが垣間見られる。ミャンマーにおける軍事政権の誕生と民衆への弾圧、中国・新疆ウイグル自治区におけるウイグル人弾圧、そしてロシアによるウクライナ侵攻は、いずれも国家主権という大きな壁を前に、国際社会は有効な解決策を見出せずにいる。加盟国の同意・協力を基礎に活動を行い得る国際組織もその例外ではなく、最も活躍が期待される国連も、加盟国に対して法的拘束力のある決定を行う権限を有する安全保障理事会を含め、これらの問題に有効に機能してきた
とは言い難い。他方で、「人権」「環境」を軸としたグローバルな抗議活動は、様々な市民団体・NGO・企業によっても展開され、その影響力は主権国家も無視できないものともなっている。現在の国際社会は主権国家体制といかなる関係に置かれているのか。そして、現在の国際社会は主権国家体制を乗り越えつつあるのか。歴史的・政治的・法制度的なアプローチから「主権国家体制」の意義・特徴・機能を捉え直すことで、改めて現在の国際社会の実像と国連の意義・役割を問い直す契機としたい。

【日時】
2023年6月10日(土)、11日(日)

【会場】
国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区代々木神園町3番1号)
センター棟402室(受付はセンター棟406室前を予定)

【方式】
対面での実施

<第1日:2023年6月10日(土)>

  1. 10:00〜12:00 ≪理事会≫(センター棟406室)
  2. 13:00〜 ≪会場≫(センター棟402室)

会場における飲食は禁止されておりますので、昼食はセンター棟2階カフェテリアふじをご利用ください(大会会場の下の階となります)

  1. 13:30~13:35 ≪開会挨拶≫(センター棟402室)
    ・理事長 山田哲也(日本国際連合学会理事長、南山大学)
  2. 13:35〜14:30 ≪基調報告≫(センター棟402室)
    ・報告 細谷雄一(慶応義塾大学)「国際連合の誕生―戦後構想をめぐるイギリス外交」
    ・コメント 山田哲也(南山大学)
  3. 14:30〜14:40 ≪休憩≫
  4. 14:40〜17:00 ≪研究報告セッション1≫(センター棟402室)
    脱主権国家体制の兆しと国連
    第二次世界大戦を契機とする国連の創設は、「武力行使の禁止と集団安全保障の強化」「自決権の確立と植民地主義の否定」「国際人権規範の拡充とその保障枠組みの整備」といった点で伝統的な主権国家体制に法的・政治的な影響を与えたが、その基底部分を突き崩すものとまでは言えなかった。他方で、国際社会のグローバル化や情報通信技術の進歩による企業・市民といった非国家主体の質的・量的な活動拡大と国際場裏での存在感の増大は、主権国家体制が国家中心的であるとの当然視を揺るがすものとなっている。果たして、現在の国際社会は「脱主権国家体制」へとその性質・構造を変化させつつあるのだろうか、そして、その変化に国連はいかに関わっているのだろうか。政治的あるいは法的な観点からこの問題を論じて頂きたい。
    ・司会 西海真樹(中央大学)
    ・報告 清水奈名子(宇都宮大学)「国連システムと法の支配—主権国家体制を前提とした国際法秩序の課題」
    ・報告 山根達郎(広島大学)「主権国家体制の揺らぎとアフリカの反応―安全保障と平和構築の視点から」
    ・報告 渡邉智明(福岡工業大学)「岐路に立つ多国間環境条約体制と国連―オーケストレイターとしての国連・UNEPの可能性と課題」
    ・討論 望月康恵(関西学院大学)
    ・討論 久保田徳仁(防衛大学校)

<第2日:2023年6月11日(日)>

  1. 9:30〜≪会場≫(センター棟402室)
  2. 10:00〜11:45 ≪研究報告セッション2≫(センター棟402室)
    主権国家体制における人権保障と国連の機能
    第二次世界大戦後、国連総会は世界人権宣言を採択し、国家が国民に対して保障する人権を国際的な規範として成立させる契機をつくった。国際人権規約が制定され、国連は人権理事会を設立し人権規範の普及を進めている。一方、国連安全保障理事会は人権侵害を理由とした紛争地域に介入している。この研究報告セッションでは、主権国家体制と人権はどのような関係にあるのか。国家が人権を保障しない場合に国連はどのような機能を果たすことができるのか。さらには、人権保障を理由とした国連の行動は、今後の主権国家体制をどのように変容させ、あるいはさせないのか。主権国家体制、人権規範、国連の機能と行動という三つの要素を踏まえて国際社会の構造に立ち返り議論することにしたい。
    ・司会:滝澤三郎(東洋英和女学院大学)
    ・報告:赤星聖(神戸大学)「主権国家体制と移動する人々の保護―国連は誰をどのように保護してきたのか」
    ・報告:藤井広重(宇都宮大学)「主権国家体制と国際刑事裁判所による逮捕状発布―不処罰終止規範の拡大が難民条約除外条項へ与える影響を中心に」
    ・討論:滝澤美佐子(桜美林大学)
  3. 11:45〜14:00 ≪昼食/各種委員会≫
    ・企画委員会(大会本部):センター棟406室
    ・編集委員会:センター棟407室(11:45〜13:00)
    ・渉外委員会:センター棟407室(13:00〜13:30)
    ・広報委員会:センター棟407室(13:30〜14:00)

会場における飲食は禁止されておりますので、昼食はセンター棟2階カフェテリアふじをご利用ください(大会会場の下の階となります)

  1. 14:00〜15:45 ≪若手独立報告セッション≫(センター棟402室)
    ・司会:川口智恵(東洋学園大学)
    ・報告:佐藤裕視(麗澤大学)「国際信託統治制度の創設、転回、終焉、継承—主権国家体制への問いかけ」
    ・報告:番定賢治(東京大学/アジア歴史資料センター)「戦間期日本外交と国際機構―国際法の転換の受容とその限界―」
    ・討論:川口智恵(東洋学園大学)
       :小林綾子(上智大学)
    ・質疑応答
    ・全体討論
  2. 15:45〜15:55 ≪休憩≫
  3. 15:55〜16:35 ≪総会≫(会員のみ)(センター棟402室)

会場:国立オリンピック記念青少年総合センター
(会場マップは掲載準備中です)

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