第1回国連課題研究会オンラインセミナー報告「ウクライナ紛争から見えてきた国連の抱える課題」

報告

第1回国連課題研究会オンライン・セミナー
「ウクライナ紛争から見えてきた国連の抱える課題」
2023年4月25日(火) 20:00-21:40

 本セミナーでは、モデレーター 井上 健(日本国際連合学会理事) の下で、開会のことば(資料1)、基調講演、パネル討議に続き、市民社会メンバー、国際人道支援家、国連研究者、起業家等多様な参加者による活発な自由討論が行われた。
 神余 隆博 前日本国際連合学会理事長は、基調講演において、ウクライナ紛争から見えてきた国連の抱える課題を網羅的に抽出し、これらに対し、安保理改革を含め実現可能な取り組みを提示した(資料2)。
 続く、佐紀 仁会員(武蔵野大学)及び 中村 長史会員(東京大学)のコメント(資料3及び資料4)を基礎としたパネル討議及び自由討論では、この紛争が露わにした複合危機及び人類破滅の脅威に対する市民社会を含めた包摂的な平和のための結集の必要が強調された。このため、正確な国連理解に基く市民の意思決定への参加拡大を図ること、及び、人道的惨状の中でSDGs達成を目指すグローバルサウス諸国に対しては、彼らのオーナーシップに基いた開発援助の展開がブレトンウッズ機関と援助供与国に提唱された。
 今研究会は、ウクライナ紛争から見えてきた核廃絶を含む軍縮、AI・IT分断等を網羅する一連の国連の諸課題に関し、今後、より掘り下げた意見交換を通じて、日本国際連合学会の包摂的な取り組みを促す出発点となった。
 なお、次回研究会は、5月30日(火)午後8時から、講演者に関西大学の西 平等(にし たいら)教授を招き、「保健専門機関は高度に政治的な領域にいかに関わるべきか--核兵器問題を素材として」を論題に開催する予定である。

セミナーのプログラムと資料は以下の通り(添付のPDFファイルをご覧ください)
プログラム
資料1.開会のことば 猪又忠德 国連課題研究会幹事
資料2.基調講演 「ウクライナ紛争から見えてきた国連の抱える課題」神余隆博 前日 本国際連合学会理事長(関西学院大学)
資料3.佐俣 紀仁会員(武蔵野大学)コメント
資料4.中村 長史会員(東京大学)コメント
資料5. 廣野良吉会員(成蹊大学名誉教授)「戦後国際社会の変貌と我が国の対応・立ち位置」
資料6. 第1回国連課題研究会オンライン・セミナー報告